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| まず色彩の美しさに目を奪われた。黒色がピンク色、緑色と響き合いその対比が美しい。クロアゲハの形態は的確に単純化され大胆に画面中央に配される。その姿は生命感に溢れ、美しく神秘的な輝きをも感じ取ることができる。蝶の単純化に対して背景の花々や見え隠れする草にはディテールを丁寧に描写しようとする観察眼があり、蝶の羽が透過する表現にも繊細な作業が見られる。この単純・複雑或いは疎・密の重層構造が画面にリズム感とめりはりを与えている。シンプルで力強い作品である。 |
女の子の頭には巨大な髪飾りが載っており、花柄や幾何学文様、編み紐状のもの等様々な装飾がパッチワークのように集合し、画面を覆い尽くしている。手の込んだ刺繍のようにも見えてエキゾチックな民族衣装にも見えるのだが、何故か大きさの割には重量感がなく平面的である。頭に対して意図的に行なったアンバランスの美学にはきっと何か仕掛けがあるに違いない。この髪飾りは、将来への大きな希望に向かって舞い上がる作者自身の夢を乗せた秘密の飛翔装置なのかもしれない。 |

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| 空手の組手を描いたものであろう。画面いっぱいに二人の勝負に挑む真剣な姿が良く表現されている。空手の技はスピードがあり瞬時の動作で勝敗が決まってしまうものだがそのような一連の流れを絵の中で捉えることは大変難しいように思う。ここに描かれている人物の一人は作者自身かも知れないが空手を実践している者でなければ描くことのできない視覚的な感性と緊張感が画面構成にも反映されている。本質を射抜く表現力の豊かさを感じる作品である。 |
愛用のカメラで撮った犬やバラや蝶の写真。描いたモチーフからはそのように推察できるが、題名からも読み取れるようにそれは単にカメラで撮った写真を描いたのではなく、カメラは自分自身の目であり3枚の写真は自分の脳裏に焼き付いたその時々の瞬間そのものなのであろう。カラー写真が時とともに色を失っていくようにモノクロームで表現された世界にはどこかノスタルジックで甘美な雰囲気が漂っている。作者の表現の意図が観る側にも伝わってくる。 |

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| 田舎に住む家族が孫か姪に送った手紙であろうか。素朴でストレートな表現に心のこもった愛情が凝縮されている。俯瞰するように高い位置から眺めるみかん畑、集落、その先に広がる海と島々は抑制の利いた美しい色彩で表現され、その風景の中を遠ざかっていくかのように描いた人物は、点のように小さく描くことで逆に一緒に過ごした楽しい時間が強調されている。思い出の中の時間軸と空間軸が合体したすばらしい表現となっている。 |
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